スープ Sopas

Sopa de ajo castellana
カスティージャ風ニンニクスープ

 手軽で簡単にできてほんとうにうまいカスティージャ風ニンニクスープ、本ブログ開始当初の昨年8月(2010/8/19ページ)に一度紹介しましたが、改めて再度紹介します。

《Receta レシピ》

 本式には、若鳥、白ネギ、ニンジン、セロリを何時間も煮てから最後に濾してつくるcaldo(カルド、出汁)から始めないといけないが、簡単にするにはMaggiブイヨンとYoukiガラスープで出汁をつくる。
 鍋か深めのフライパンにバージンオイルを入れ中火で熱した中に包丁の横面でつぶしたにんにくを入れ焼き目がついたら一口大にちぎった前日の残りパン(硬めのフランスパンが最適)をまとめてその上に入れオイルを吸わせながらかき混ぜる。パンにも焼き目がついたらパプリカ(甘口)を振りかけ、少しかき混ぜてから別鍋で熱した出汁を注ぎ中火で10分程度煮る。最後に塩加減を確認して調整したら、別途、杯数分の卵の白身を黄身から分離したものを入れてさっとかき混ぜ白身が固まったら火を切る。先ほどの黄身を各一個スープ皿の中央に置き塩を振りその上から包むようにスープをいれる。皿に盛りつけたスープの表面に更にパプリカ(甘口)をしっかりと振りかけてもいい。


Sopa de alubias blancas con muslo de pollo:
ホワイトビーンズと鶏モモ肉のスープ

 スペイン料理にはlentejas(レンテハス、レンズ豆)、garbanzo(ガルバンソ、ヒヨコ豆)、alubia blanca(アルビア・ブランカ、ホワイトビーンズ)、Alubia roja(アルビア・ロハ、レッド・キドニー豆)などいろいろな豆を使った料理がありますが、豆は肉や卵にひけをとらない高タンパク質でミネラル成分を多く含んだ栄養価が高い食材です。豆を美味しく食べることはエコにもつながります。日本料理には大豆が多く取り入れられていますが、外国の豆も美味しく食べたいものです。
 本来は生の豆から作るのがいいのですが、前日から水に浸けておき長時間煮る手間がありますので、手軽には缶詰のものを使います。たいていのスペインの豆料理には本場のチョリソが入りますが日本では手軽で安価に入手できないので、今日は鶏のモモ肉をしっかり煮込むことでそれに代用した、手軽に作れる豆料理を紹介します。ここではホワイトビーンズを使いましたが、レッド・キドニー豆(写真はイタリア産)でも全く同じ作り方です。
☆ポイント☆ 酸味をつけるのにトマトを使いますが、それをスペイン風にアレンジするのにバージンオイルでニンニクとトマトを炒めるプロセスを加えます。因みに、和風に軽く作るには、鶏モモ肉の変わりに鶏ムネ肉またはササミを使い、トマトはバージンオイルで炒めずニンニクなしで単にカットしたものを使います。

《Receta レシピ》

1. 鍋に水を入れ、ローレルの葉と鶏モモ肉と皮をむいて適当にカットしたジャガイモを入れて強火で煮る。沸騰したら強火のままお玉などで灰汁を取りやや弱火にして20分間煮込み、モモ肉を取り出してまな板の上で適当にカットし、その間、ジャガイモを荒めに潰してからモモ肉を戻す。
2. 1を煮込んでいる間に、フライパンにバージンオイルを入れ中火で輪切りにしたニンニクを入れ黄金色になったら適当にカットしたトマトを入れて中火で少し炒める(気になる場合はトマトは皮をむく)。
3. 1の鍋に2のトマト・ニンニクと適当にカットしたキャベツ、そして缶詰のホワイトビーンズを入れ、固形のチキンコンソメ、固形のブイヨンとコショウを加え、強火で沸騰させてからやや弱火で10分間煮る。















Sopa de muslo de pollo con macarrones:
鶏モモ肉とマカロニのスープ

 スープだけで済ませたいけれど少しボリュームが欲しいときなどに最適の、お腹の足しになる食べるチキンスープです。脂身がある鶏のモモ肉と、パスタもしっかりと食べ応えがあるマカロニを使います。鶏肉はすぐに傷むので、うちでは一枚ずつあるいは半分にカットして冷凍しておくことが多いのですが、このスープを作ると決めたときは予め鍋に水を入れ冷凍のモモ肉を解凍のため浸けておくと便利です。

《Receta レシピ》

1. フライパンにバージンオイルをいれ中火で輪切りにしたニンニクを落とし黄金色になったら15ミリ程度にカットしたトマトあるいは缶詰のカットトマトを入れ5分程度炒める。
2. 鍋に水とモモ肉とローレルの葉を入れ、強火で沸騰させたら、そのままの強火でお玉などを使い丁寧に灰汁をとり、弱火にして15分後に、小粒の乾燥マカロニと1の炒めたトマトを加え、固形のチキンコンソメスープとコショウを入れ更に10分間煮る。味見して、調整は顆粒のチキンコンソメがあると便利。
3. モモ肉を取り出してまな板で適当にカットしてから鍋に戻し、強火にして適当にカットしたキャベツを加え沸騰したら弱火に落とし2、3分煮込む。
4. 更に、ボリュームが欲しいときはゆで卵を載せ、フランスパンのバケットをつける。



Sopa de pollo y col:
チキンとキャベツのスープ

 手軽に作れ、チキンのムネ肉とキャベツですから非常にヘルシーでしかも美味しいスープです。少しボリュームが欲しいときは黄身が半熟のゆで卵を二つに切って載せると、色合いもよくなります。
 ゆで卵の上手なゆで方については、先日、『ためしてガッテン』の方法を説明しましたが、わが家では今でも毎回非常にうまく行き重宝していますので、再度ここで紹介します。要は、加熱すると内部にCO2(二酸化炭素)が発生し、これが白身を内皮に押し付けてくっつけてしまうことが原因なので、ガス抜きをすればいいということです。殻がむきやすいだけでなく、白身がプリンプリンの美味しいゆで卵ができます。
 簡単なガス抜きの方法は、「コロンブスの卵」と同じ方法で、空気室がある先端(湾曲が緩やかな方)を硬いまな板やステンレスの流し台の平らな縁に軽くコツンと当ててヒビを入れる方法です。コロンブスは丸い卵をこうしてテーブルの上に立てたのです。強すぎると卵が割れて中身がでますので強すぎないように、しかし、しっかりと当てます。そして冷水から入れて沸騰したら弱火で約6分間ゆで、鍋から湯を流し去り、気化熱で卵の表面を急冷します。すぐに殻をむくなら鍋を前後左右に激しく動かしてむきやすいよう卵の殻にヒビをたくさん作り、冷水で更に表面を冷やします。あとで殻をむくときは、鍋を激しく動かす工程は省略します。

《Receta レシピ》

1. 鍋に水とチキンムネ肉を入れ沸騰させたら弱火にして蓋をし15分煮込み、お玉か網でアクをとり、チキンはまな板にとり、少し冷めたら手で繊維に沿って適当にほぐしてまた鍋に戻す。
2. キャベツは4分の1に切りよく水洗いしてから、芯をのこしてバラけないように4分の1個を3つに、即ち、30度に切る。
3. ほぐしチキンが入った鍋にキャベツを入れ、チキンコンソメ(固形または顆粒)とコショウを加え沸騰させたら弱火にして蓋をし15分煮込む。スープ皿に盛りつけてから生クリームを1箇所に垂らす(生クリームを入れてからかき混ぜない)。


Sopa de pollo con fideo y arroz:
パスタとライス入りチキンスープ

 今日は手軽にできるパスタとライス入りのチキンスープを紹介します。軽い食事にしたいとき、パスタとライスとゆで卵が入っているのでパンといっしょに食べると満足感があって最適です。
 なお、ゆで卵の殻が簡単に剥けてプリンプリンに美味しくできるゆで方を先日のNHK番組『ためしてガッテン』でやっていて、実際に試してみると素晴らしく簡単に美味しくできるのでここでも簡単に紹介します。それはコロンブスの卵と同じ方法です。卵が立つようにするつもりで、卵の空気室がある方の先を硬いまな板などの上に緩すぎず強すぎずコツンと叩きつけて軽くひびを入れるだけです。そのあとはこれまでと同様に冷水から入れて沸騰したら弱火で約6分間ゆで、鍋から熱湯をすべて流すか卵を取り出して気化熱で表面を急冷し、鍋の中なら前後左右にゆすって割れ目をつけ、一度水で軽く冷やします。6分間とは黄身を半熟状態にする目安です。『ためしてガッテン』では番組の初めの部分で大量にゆで卵を作る業者が簡単にゆで卵の殻を取るのに冷蔵庫で長期間保存して劣化させる方法を紹介していましたが、これだと殻が簡単に剥けて卵白部分はプリンプリンになりますが卵黄は劣化して不味くなるのでこの方法はやめてください。

《Receta レシピ》

 鶏肉はササミまたはムネ肉を使う。パスタは細めのスパゲッティを短く切ったもの、なければ自分で折って作る。ライスは残りご飯でいい。青物野菜はモロッコインゲンを5cm程度の長さに切ったものだが、簡単には冷凍のグリンピースでもいい。ゆで卵は半分に切る。
 鍋に水を入れ、短く切ったスパゲッティとササミまたはムネ肉を入れて煮る。ササミまたはムネ肉によく火が通ったら取り出して細長くばらす。フライパンにバージンオイルを入れ弱火でみじん切りにしたにんにくを入れて炒め黄金色になったところで火をやや強火にしてモロッコインゲンまたは冷凍グリンピースを入れしっかり炒める。
 スパゲッティが充分やわらかくなったら、ばらした鶏肉と青物野菜を鍋に入れ、残りご飯を加えてチキンコンソメを入れ黒コショウをふって中弱火で少し煮込む。スープ皿に盛りつけて半分に切ったゆで卵を載せる。