前菜 entradas

Gambas y brócoli al ajillo:
小エビとブロッコリーのニンニク風味
《Receta レシピ》

1. 剥き身の冷凍エビを解凍してキッチンペーパーなどで水をよく切り、多めに塩ふっておく。
2. フライパンにバージンオイルを多めに入れて中火で熱し、厚めに千切りにしたニンニクを入れ黄金色になるころ鷹の爪を入れ、続いて小エビを入れやや強火にしてかるくかき混ぜながら熱が通り過ぎないようさっと炒め、小エビとニンニク・鷹の爪を別皿に移す。絶対に炒めすぎないこと。
3. ブロッコリーは茎を切り取り、蒸すのが一番いいが、手軽には皿にのせラップして電子レンジで内部がやわらかくなるよう温め、小包丁で茎に切れめを入れて手で千切る。
4. バージンオイルが残ったフライパンをやや強火にして千切ったブロッコリーを入れさっと軽く油に通す程度に炒めて皿に盛り、その上に2の小エビとニンニク・鷹の爪をオイルといっしょに振りかける。



Setas al ajillo:
きのこのニンニク炒め

 Seta(セタ)はそれ自体味に癖がない生椎茸に似たきのこですが、椎茸のような傘状のきのこの総称でもあります。スペイン料理の基本、バージンオイル、ニンニク、そして唐辛子(鷹の爪)と塩で料理します。スペインのセタは日本では流通していないので、今日は生椎茸とシメジで作りました。スペインではバルのtapas(タパス、つきだし料理)の定番です。

《Receta レシピ》

 フライパンにバージンオイルを入れ中火で千切りにした多めのニンニクを炒め、色がつき始めたら鷹の爪を加え、その上にカットした生椎茸とばらしたシメジを入れてやや強火でよく炒める。出来上がり際に塩をふり少しかき混ぜる。



Las alitas de pollo a la plancha:
手羽鉄板焼

 若鳥の手羽を使った手軽にできるおつまみです。レモン汁が爽やかな仕上げにします。きょうはこれに黒オリーブやアボガドを添えてフルコースの一品風にも仕上げました。手羽は指でつまんで食べないと美味しくないのでお客さんのときは手拭用にナフキン、簡単には紙ナフキンまたはティッシュ、そして骨入れを備えます。

《Receta レシピ》
1. フライパンにバージンオイルを入れ中火にしてローレルの葉と千切りにしたニンニクを入れる。ニンニクに色がつき始めたら鷹の爪を入れニンニクが黄金色になったら、料理用の取り皿にオイルもいっしょに取り置く。
2. 1のフライパインに中火のまま塩をふった手羽を皮面を下にそろえて載せる。皮に充分な焼き色がついたら裏返し弱火にして火がしっかり通るまで焼く。
3. 焼きあがったらフライパンに1のニンニクオイルを戻し中火で加熱してから、手羽を皮面を上にして皿にのせ、その上にニンニクと鷹の爪を載せ(ローレルの葉は取り除く)オイルをすべてかけ、その上からたっぷりのレモン汁をかける。
4. フルコースの一品風にするときは、黒オリーブとカットしたアボガドを添え、ブロッコリースプラウトまたは貝割れ大根をその上に散らしてレモン汁をかける。



Papas chips con ajo:
ガーリックチップス

 スペインの味、バージンオイルとニンニクが入った、手軽ですごく簡単にできて美味しいスナックを紹介します。ちょっとつまむともうやめられません。
 自宅に友達を招いてスペイン料理のフルコースを出すようなとき、テーブルの上にこのスナックを置いておけば、その香りだけでスペインレストランのような雰囲気が醸し出されます。

《Receta レシピ》

1. 大きめの袋のポテトチップスだと、青森産の大きなニンニク1つ丸ごと全部、皮をむいて薄切りにする。ポテトチップは塩味のもの。
2. パセリはみじん切りにする。
3. 小さめのフライパンにバージンオイルを大匙1杯入れて中火で熱し、ニンニクを入れて炒め、色がつきかけた段階でパセリを加え、更に炒めて黄金色になったら火を切る。
4. ポテトチップスを大きめの深皿に取り、その上に3を入れて軽くかき混ぜる。


Gambas al ajillo:
海老とニンニクのオリーブオイル炒め

 スペイン料理で手軽に作れて絶対にうまくて、たいていの日本人に気に入ってもらえるものの筆頭は何かと聞かれると、私は躊躇なくgambas al ajillo(ガンバス・アル・アヒージョ)を挙げます。スペインから帰国してあまりスペイン料理を作らない期間がありましたが、そのときでも、友人を家に招いたときや家族の誕生日などには必ずガンバス・アル・アヒージョは作ったものです。日本人男性と結婚して日本に住んでいたスペイン人女性とその幼い娘さんを自宅に招待したことがありましたが、食事時間でなくちゃんとした食事の招待ではなかったのでガンバス・アル・アヒージョだけをつくり、あとはバケットと飲み物を用意しました。そしてあとから聞いた話ですが、その幼い娘さんがガンバス・アル・アヒージョを気に入りそのことばかり言い続けていたそうです。スペイン人女性といっても必ずしも家庭でガンバス・アル・アヒージョを作るとは限らないこともわかりました。
 ガンバスは芝海老と訳されますが、車海老くらい大きめの海老で作ったほうが立派で美味しくできます。このブログを始めたとき、コース料理の一品として同種のものを一度紹介しましたが、改めてここでレシピを披露します。
 
《Receta レシピ》

 下準備として、海老は尾部を残して殻を剥ぎ尾先をカットして多めに塩をふっておく。
 鍋にかなり多めのバージンオイルをいれて中火で熱し、厚めに輪切りしたにんにくを入れ黄金色になるころ鷹の爪を入れ、続いて海老を入れやや強火にしてかるくかき混ぜながら熱が通り過ぎないようさっと炒める(揚げる感じ)。絶対に炒めすぎないこと。少し早めがいい。でき上がってたらパセリをみじん切りにしたものを振りかけてもよい。カットしたフランスパン(バケット)をオリーブ油のたれにつけて食べるとおいしい。パンは口に入る大きさに手で千切ってからタレにつけて食べる。〔写真は車海老を使用〕



Tortilla(de patatas):
じゃがいもの卵焼きスペイン風

 スペインのバルには必ずあるスペイン料理の定番、tortilla(トルティージャ)のレシピを紹介します。tortillla de patatas(トルティージャ・デ・パタタス、じゃがいものトルティージャ)がより正確な名称ですが単にtortilllaと言った場合tortillla de patatasのことを指します。じゃがいも以外に、たまねぎ、にんにく、アスパラ、生ハムなどいろんなものを入れるtortilllaがありますが、我が家の基本は、スペイン駐在期間中ずっと週に3日パートタイムで掃除・洗濯のお手伝いあるいは夜の子守りに来てくれうちの子供たちがほんとうによくなついたスペイン人女性がいつも作ってくれたじゃがいもと卵だけのtortilllaです。因みに、tortilla francesa(トルティージャ・フランセサ)は単純なプレーン・オムレツのことを指します。

《Receta レシピ》

 じゃがいもは皮を剥き1mmくらいの厚さに切りしっかり塩をふる。塩が多すぎてもダメだが少なくても味が締まらない。スライサーを使うと早くできる。フライパンに多めにバージンオイルをいれ弱火でゆっくり長くじゃがいもを炒める。焦げ付かないよう時々かき混ぜる。充分に炒めあがったら蓋でフライパンを抑えながら斜めにして余分な油を捨て、別途、ボールに入れよくかき混ぜ軽く塩をふった卵の中に入れる。フライパンに新しいバージンオイルを少しいれ、中火で熱してからボールの卵とじゃがいもを流し込み、中強火で固まる手前までしっかりかき混ぜ、形を整えてから蓋またはフライパンのサイズより大きな平皿をかぶせ一気に反転させて皿の上に中身を乗せそのまま滑らせてフライパンに戻す。フライパンを軽く振りながら反対面が固まれば出来上がり。すぐに新しい平皿に移し、少し冷めてから包丁で6〜8等分に切る。バルではよく薄く切ったバケットの上に乗せ楊枝を刺してだす。



《Receta レシピ》
Pepito de ternera:
ステーキ肉のサンドイッチ:

 スペインのbar(バル)でよく食べられる手軽な食べもの。Ternera(テルネラ)とは子牛の肉のことで豚肉のようなピンク色したやわらかい肉であるが、日本ではもっと大きく育ててから出荷されるので牛肉は赤身が普通。要はやわらかくて筋がない肉であればよく、本来はヒレ肉をイメージしたもの。しかし、最高に旨いものにしようと思えば値段は張るが脂身が入った1cmくらいの薄めに切った和牛のサーロインステーキ肉が最高である。これはpepito de “wagyu”と呼んだほうが適切かも知れないが。安価にするには豪州産のサーロインでも旨いが、脂身と筋は大胆に外したほうがいい。
 パンは肉の幅に合ったものがいいが、フランスパンのバケットが一般的で、1本を半分に切り、サンドイッチするためそれぞれ2枚に切りひらくと2個分のパン素材ができる。
 フライパンにバージンにオイルを敷き中強火にして塩・コショウした肉の両面を焼き、先ほど開いたパンに挟んで出来上がり。焼いた肉の熱と付着したバージンオイルでパンの内側がしっとりと柔らかくなり、簡単ではあるが、ハムサンドやホットドッグより遥かに旨い。



Pan con tomate:
カタルニア風トマトとバージンオイル塗りパン:

 
Costa bravaやBarcelonaがあるカタルニア地方は料理が旨いことで定評がありますが、ここではすこぶる簡単でこの地方の代表的な食べ物、pan con tomate(パン・コン・トマテ)を紹介します。

《Receta レシピ》

パンは殻皮が厚くて大き目の田舎パンが適しているがどんなパンでも美味しくできる。例えば、パリジャンを2cm厚に輪切りする。スペインでは熟したトマトを二つに切りパンに押し付けるようにして塗り残りを捨てるが、皮をむきボールでよく押し潰したものをパンの上に塗ってもいい。できるだけ新鮮で熟したトマトが適している。後は、バージンオイルをかけ、塩を軽く振りかけるだけで出来上がり。好みにより、にんにくをおろしたものを塗ると絶妙な味わいになるが食べた後臭いが残る。