福島第一原発事故 − 使用済み燃料棒プールの謎

 使用済み燃料棒プールについての今朝の報道データによると、1号機292本、2号機587本、3号機514本、4号機1331本、5号機946本、6号機876本ですが、4号機は本数が一番多いだけでなくまだ使い終えていない燃料棒が548本も含まれていてその発熱量が大きいので4号機の発熱量は計算上3号機の10倍となっています。それにもかかわらず3号機のプールが一時空になるほどの蒸発があったということは、プールに重大な亀裂が生じて漏水している可能性があることを想像させます。ハイパーレスキュー隊の放水にもかかわらず今日午前中の映像では3号機からの水蒸気の白煙が殆ど確認できなかったのは気がかりなことです。しかし、逆に、漏水でなければ、計算上把握できない事態が生じていることを意味して不気味です。
 また、1号機と2号機の使用済み燃料棒の状態について報道データでは「不明」となっていますが、少なくとも1号機は建屋を吹き飛ばすだけの水素爆発があったことから、水位が下がって使用済み燃料棒が露出し損傷して水素が発生したと考えられます。「不明」でなく「損傷」でしょう。しかし、1号機は、プールの容量が他の7割程度ながら使用済み燃料棒の本数が292本と少なく計算発熱量が4号機の3%程度なのにいち早く震災の翌12日に水素爆発を起こしています。謎解きのようになりますが、地震の衝撃による誤作動で1号機使用済み燃料棒プールの排水口が開き急速に水位が低下したものの水素爆発のショックかあるいは落下物で排水口が塞がった可能性が考えられないでしょうか。
 一方、2号機の15日の爆発は格納容器の一部である圧力抑制室付近で起こったとされその原因は特定されていませんが、これも他と同様の水素爆発だったのではないでしょうか。建屋外壁の破壊も後で確認されました。15日以降圧力抑制室の圧力が検知できない状態になったとして爆発で損傷した可能性があるとされ放射線の漏洩も心配されています。しかし、14日に水素爆発があった3号機の圧力抑制室の圧力も14日以降検知できない状態ですから、どちらも水素爆発の衝撃で圧力検知器が故障し、2号機の圧力抑制室の損傷も起きていないと考えられないでしょうか。これは希望的観測でもありますが、もし、圧力が1気圧になるような損傷があれば、内容物の漏洩が発生しているはずで、その後観測されている放射線レベルの推移では済まないとの意見もあります。
 もしこれらが正しければ、現在観測されている放射線はすべて冷却装置の停止による水位低下から使用済み燃料棒が損傷したことが原因で犯人は特定されたことになります。
 1号機から4号機まですべてで爆発が起こりましたが、建物を吹き飛ばすあるいは大きく損壊させるような威力があるのは、危機管理が高水準にある原発において、原子炉自体が損傷していない状態では水素爆発以外に考えられず、水素発生のメカニズムも使用済み燃料棒プールの水位低下で燃料棒が発熱・損傷して高熱の金属が露出、これが密閉状態で、水の沸騰による水蒸気と反応したこと以外は考えられないのではないでしょうか。
 5号機の非常時発電用ディーゼルエンジンが復旧し冷却装置が稼動したとのことで、6号機への電源も5号機からつながるので、5、6号機については、外部電源の接続には時間がかかりそうですが、しばらく忘れていいかも知れません。

【ココのつぶやき】

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