福島第一原発事故 − 東京消防庁の放水20分で終了

 昨日午後2時前、自衛隊は3号機使用済み燃料棒プールに向けて自衛隊の高圧消防車6台と東電による米軍から貸与された大型消防車1台で第2次地上放水を約40分間、合計約42トン実施しました。警察機動隊は建屋から50メートル離れた距離からの放水で失敗しましたが、自衛隊は10メートルの距離まで接近しての放水で、NHKの映像を観るかぎり3分の1程度はプールへ届いている可能性があると思われます。自衛隊は昨日内に第3次放水を予定したのですが実施は見送られました。
 一方、東京消防庁の地上22メートルから強力な放水ができる特殊消防車による放水は当初1号機向けとの話があり、それならどうして自衛隊員が乗り込んで3号機向けに行わないのかと訝しく思っていましたが、結局、深夜0時半になって3号機向けに放水を開始、約60トン放水を実施して約20分間で終了しました。連続放水のため2キロ離れた水源まで届くホースを備えた特殊車を投入しましたが、約300メートル離れた岸壁は地震津波の影響で崩壊していてホースの施設に手間取り放水実施が深夜までずれ込んだようです。夜間なのでどの程度プールへ届いたのか、また、連続放水なのにどうして20分間で終了したのかもよくわかりませんが、使用済み燃料棒プールがある3号機建屋4階は地上30メートルの高さにあるので、地上22メートルからの強力な連続放水ができるこの特殊消防車には期待が持てます。1分約3トンの実績ですから166分で500トン、22メートルからの放水なので半分以上プールに入るとすると、あと5〜6時間の連続放水で3号機の使用済み燃料棒を水面以下に沈めることができる計算になります。
 3号機だけで使用済み燃料棒を全部水面下に沈めるのに約500トンの水量が必要ですから、これまでの動きはこれだけのリスクを抱えた危機的状況の割には安全性を重視していかにも緩慢ですが、東京消防庁の特殊消防車による連続放水には期待したいものです。保有設備の詳細は不明ですが、大阪市の消防隊も応援に出動した模様です。
 水蒸気の白煙が現在上がっているか、あるいは水素爆発があった1〜4号機すべての使用済み燃料棒プールの水位を燃料棒の高さ以上に上げることが応急手当として緊急の課題です。これが終了すれば放射線の放出は大部分抑えられ作業環境は大幅に改善する可能性があります。
 一方、とりわけ状態悪化の報道がない1〜3号機の原子炉内水位は、注水車による応急手当的注水作業の継続で、燃料棒が半分程度露出しているとはいえ、ある程度保たれている形で小康状態のようです。原子炉の本格的な冷却機能回復には、電源の接続と電気系統の回復によるモーターやポンプの稼動が必要ですが、現在、原発建設時に使った東北電力からの送電線を再利用し2号機配電盤へのケーブル接続作業が進行中です。2号機に電源が回復すれば1号機も分電盤を介して電源が復旧できるようで、今日の午前中にも終了する見通しです。ただし、電源回復後も電源系統の点検などまだまだ時間がかかります。2号機「収納容器」の一部分であるドーナツ状圧力抑制室の損傷の可能性がありますが、甚大なものでなく重大な放射線漏洩を起こしていないことを祈ります。
 3、4号機には原発からの送電線を逆利用して仮設分電盤を搭載したトラックを使い明日20日にも電源回復を予定しています。5、6号機は送電線鉄塔が倒壊しているので別の鉄塔を経由する必要があり更に時間がかかるようです。
 緩慢ながら危機的状況の収束に向けて動き出しており、突発的な事態悪化が起こらなければ、この戦後最大の危機を乗り越えることができる可能性がでてきました。ただし、依然として危機的なリスクに晒されている状況に変わりはありません。

【ココのつぶやき】

♪ 横浜公園の工事の様子を見にきました、3月15日”頃”の完了予定でしが、31日頃に延期されています ♪

♪ 地震があったので、前回と比べあまり進展していないようです ♪

♪ あれあれ、関内駅寄りの方は何もしないのかな ♪

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