福島第一原発事故 − 計器類から正確な数値が得られないリスク

 東電の社員が自衛隊のヘリに同乗して外部から4号機の内部を観察し、燃料棒プールに水が残っていることを瞬間的に目視できたことから、最もリスクが大きいのは3号機の燃料棒プールと判断され、現在、それに対する放水が最優先課題として取り組まれています。
 このように原子力発電所という極めて複雑な施設での深刻な事故に対し、計器類からの正確な数値が得られない状態で多くを目視に頼りながら事故対応がなされているわけですが、特に、原子炉内の状態を示す水位、気圧、温度などの正確な数値が不在の状態はいつ何時予期せぬ事態に発展するか分からないリスクがあることを意味します。更に、2号機は最後の砦といわれる「収納容器」の一部分であるドーナツ状の圧力抑制室付近に爆発による損傷の可能性があるという大きなリスクも抱えています。
 また、3号機や4号機の燃料棒プールで燃料棒が水面の上に出て過熱溶融し損傷している状態というのは、恐らくこれまでに経験したことがない想定外の分野で、特に、3号機は殆ど水がない状態にまで至ったようですが、いまのような緩慢なペースで放水していて露出状態が長く続くとき、今後、ある水準を超えると急速に崩壊して大量の放射線放出が始まるかも知れない可能性は誰も否定できないのではないかと想像します。そのようなリスクを避けるためには、一刻も早く燃料棒全体を水面以下の状態に置かなければなりません。沸騰して水蒸気の白煙が上がっている状態は水温が100℃で平常時の40℃に対し異常な状態が続いているのです。
 つまり、現在の状況を戦争に例えると、爆弾と銃弾の代わりに危険な放射線が降る中、戦時なら、「敵陣営の3号機、4号機の周囲まで接近し、放水して可能な限り早急に燃料棒プールを海水で満たせ!」という作戦指令がだされ、成功に手間取ると国家が壊滅的な打撃を受ける大きなリスクがある事態だと思います。いまはそのような有事を上回る非常事態にあるのではないでしょうか。

【ココのつぶやき】

♪ 東京消防庁は強力な放水車をいろいろ持ってきたようだけど、自衛隊が主導して、もっと積極的で効率的に活用できないのだろうか ♪

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