ポルトガルで強力なライバル??


 久しぶりにポルトガル時代のお話です。リスボンの私の事務所に毎日のように通ってくるカルロスが、リスボンにきて3ヶ月くらい経ったころ、サングラスをかけアルカポネに似た一見街のチンピラ風のお兄さんを連れて来ました。私が21歳でカルロスが40歳過ぎくらい、そのお兄さんは30歳過ぎくらいでしたので年齢的には丁度いいのかも知れないのですが、何か歩合給のセールスマンをしていて働いたり働かなかったりの様子で、結婚はしていて奥さんと子供の写真は見せてくれたりするのに、いつもポルトガルアンゴラ出身の混血で20代後半くらいの女性を連れ人前でもいちゃついたりしています。裏のような世界にも通じていてちょっとは悪いこともしているようですが、少し付き合うと決して芯は悪い人間でないことがわかり、困ったときには助けてくれるような信頼できる面もあるお兄さんでした。
 そのお兄さんが知り合って間もないころ、日本人が10人くらいも出入りして何か大きなビジネスをやっているような日本企業の事務所があるという情報を持ってきました。私は業界の事情はおろかビジネスのことや世間のことを何も知らない学生のまま、いきなりポルトガル駐在員として派遣されてきて、日本企業の駐在員としてリスボンで働いているのは自分だけと思っていましたから本当に驚きました。名前を聞くと、どうもヨット部の1年上の、授業に出ないので語科では成績が最下位の先輩がまぐれとか奇跡かといわれるような状況で入社試験に合格しこの4月から東京で勤務し始めた大手商社のことのようでした。その先輩は私が5月に羽田から出発するとき空港まできて横浜に住む私の親戚親子3人といっしょに見送ってくれたところでした。
 私はリスボンに来て3ヶ月過ぎても1件の契約も取れず、こんな貴重な機会を与えてくれた大阪本社や特に社長に対し申し訳ない思いでいっぱいのときでしたので、とにかくその商社が何をやっているのか探ろうと、電話帳で番号を調べて電話し、支店長との面会を申し入れました。一人駐在員でも企業のポルトガルにおける代表として同格との気持ちがありました。相手側の支店長はすぐに会ってくれ、私は相手が大きかろうが一対一の勝負のつもりで臨みましたが、顔を合わせるやいなや、「君は学生さんだね」、と見破り、自分のことはあまり話さず私が何をやっているのかやんわりと質問を続けるばかりでした。私は、きっぱり学生であることを否定しましたがこの支店長は最後まで信じていないようでした。私のことを学生だと見破るのは流石大手商社の支店長は人を観る眼があるのかと変に感心したものです。このときは、私が将来、先輩の勧めでこの会社に入社することになろうとは夢にも思わなかったのですが。
 カルロスはいつも、チンピラ風のお兄さんも時には私の事務所にきて大阪本社から送られてくる数多の商品カタログやプライスリストを入念にチェックしていましたが、そのお兄さんがある日本の有名メーカーの複写機のカタログに注目しました。「これはいけるのではないか」、と言ってそのカタログを持ち営業に出かけました。そして、何日か後に戻ってきて、「何軒かあたったけれど、例の日本商社から先に紹介されていてどこにも相手にされなかった」、と言うのです。カタログにその日本商社の名前が印刷されてあるとのことなので、カタログをよく見てみると、確かに、大阪本社のラベルが横に2枚張られていてそれを剥がすと、「欧州総代理店:○○株式会社」と英語で印刷されていました。大阪本社に確かめると、メーカーはその商社を欧州総代理店に決めているけれど、リスボンに駐在員を置いているといって交渉し、具体的で有力な引き合いを持ち込めば検討してもらえることになっているとの説明でした。同様のことが以前にも何回かあり、このときばかりは、あの支店長に見栄を張った直後で、日本本社の力が弱いと仕事がしづらいことが少し身にしみました。

【ココの世界】
 せっかくまだシャンプーの匂いが残るくらいいつになくキレイなココなのに今朝は誰にも会わないなと少し残念に思っていましたが、ココが汽車道をとぼとぼ行くとカノンちゃんが勢いよく走って後ろから追いかけてきてくれました。すると、殆ど同時にコマチちゃんたちも反対方向からきてみんな一緒になりました。カノンちゃんはしっぽを大きく振り大喜びしてくれましたが.....


♪ カノンちゃん、またおいかけてきてくれたね ♪
♪ (でも、なにかいいたいみたいだな) ♪


♪ わーい、カノンちゃんのママがはじめてだっこしてくれた! ♪
♪ (けんど、カノンちゃんさびしそう、こまったにゃ) ♪


♪ (コマチちゃんたちさきにいっちゃったなー) ♪

♪ (あれあれ、カノンちゃんもひとりでとぼとぼいっちゃった、ボクどうしよう) ♪

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