サウジアラビアの3支店へ陳情出張

 私がスペインに赴任して1年近く経ち漸くリビアの建設資材輸入公団と丸棒3万トンの契約が決まり、欧米の一流銀行が支払いを保証するL/C(信用状)の開設にはまだ時間がかかることが予想されたので、大口契約ができた勢いに乗り、この間に従来の主要マーケットだったサウジアラビアとの取引再開を目指して、3つあった支店、ジェッダ、リヤド、アルコバールすべての鉄鋼担当者にスペインの丸棒等を売ってもらうよう陳情の出張にでかけました。以前にも書きましたが、前任者が在任中の最終段階でトラブルが続発して取引が完全に中断していたのです。
 最初の訪問地は紅海(Red Sea)に面したジェッダ。私にとって本格的なイスラム圏は初めてでしたが、降り立ったジェッダ空港は素晴らしく立派で、これが産油国なのだと実感しました。ジェッダは砂漠地帯にありますが港町で湿気もあるのに真夏には50℃近くまで気温が上昇するという、まさにred sea(灼熱の海)なのです。メッカに近くイスラム経の戒律に厳格な風潮があり禁酒も徹底しているようでハードシップが高いことはすぐにわかりました。ジェッダはスペインから一番近く丸棒輸出の実績も大きかったのですが、たちの悪いストッキスト(輸入販売業者)もありトラブルが多く発生したところでした。それでも、たまたま支店長が以前東京で直接の上司だった人で、3店のなかでは一番ビジネスの可能性が大きく、鉄鋼担当者も比較的協力的で有力ストッキストを数社案内してくれました。新しい客先を開拓していく中でとんでもない相手に当たり、契約後相場が下がると値引きや引取り拒否のためになりふり構わず不当なクレームをつけてくるケースがありますが、サウジアラビアの支店側からすればスペイン製品の品質に対する不信感も根強く、同じ社内でもお互いのコミュニケーションは非常に重要なのです。
 首都リヤドは内陸部の砂漠に囲まれたオアシスにあり非常に乾燥していて真夏には50℃では済まない高温地帯です。この支店では丸棒など電炉製品は、優秀で実績があるエジプト人が担当していました。荷揚げ港がアラビア半島東側のペルシア湾岸Damman(ダンマン)港で日本からの船便はジェッダに比べて有利で、日本製品だけで充分やっていける状況でした。日本の相場が上昇して日本からの輸出余力がなくなるような状況でないとスペイン製品の売り込みは困難でした。
 アルコバールはダンマン港に隣接しペルシア湾に面する石油メジャーの街で欧米化が進み禁酒も厳しくなくサウジアラビアにしては意外に自由な空気がみなぎった暮らしやすいところのようでした。少なくともジェッダやリヤドより遥かに好きになれる街です。純金のアクセサリーが加工賃なし、税金なしで安く、重量で買えるというので支店の日本人駐在員に案内してもらいうちの奥さん用に当時500ドルの大金をはたいてブレスレットを買いました。ついでにスーパーマーケットも見せてもらいましたが並べてある野菜・果物類はスペインとまったく同じでした。しかし、彼は観光案内をしてくれても、ビジネスでは大手石油会社向け日本製鋼管のコンスタントな継続取引があり、危ないスペイン製丸棒ビジネスに手を出す必要がなく、また、プロジェクト絡みの鋼管ビジネスと丸棒とでは商内のスタイルが違い無理がありました。
 エジプトの首都カイロで、東京本社から鉄鋼担当の副社長一行が来て中東鉄鋼会議が開かれる予定があり、実は、私はその日程に合わせサウジアラビアの支店を回り、引き続き会議に参加するスケジュールでした。中東鉄鋼会議ですから、欧州からは鉄鋼関係の責任者が参加する程度で外様スペインの1マネジャーは普通参加しないのですが、中東各店の鉄鋼担当者との面識が必要と考え特別にオブザーバー参加しました。会議のホスト店となったカイロ支店は、普通なかなかこられない土地柄を考慮し、会議以外にも気を利かせてちょっとした観光も用意してくれました。ナイル川周遊船上のランチ、ギザのピラミッドとスフィンクス見学、アラビアンディナーとベリーダンスショーなどです。ナイル川はカイロ周辺では川幅がそんなに広くなく単に濁った大きな川という感じで、これがあの有名なナイルなのだと思う程度。ピラミッドとスフィンクスも、期待が大きすぎたというか想像が盛り上げ大きなイメージを焼き付けていたので実際に本物を見ると意外に小さく感じられあまり感動がなく少しガッカリした思いでした。禁酒国サウジアラビアから来て美味しいお酒を堪能していた状態ではありましたが、むしろ、アラブの中心地カイロの夜に覆面で妖しく踊るベリーダンサーがいちばん印象に残りました。アラブ料理については、残念ながら私のレシピに入るものはなさそうですが。
 そして、カイロをあとにすると、ローマ乗継で、最後の目的地、リビアトリポリを目指しました。もちろん、建設資材輸入公団のL/C開設をプッシュするのが主要目的です。ローマでリビア航空の飛行機に乗り継ぐとき、予想外でしたが大勢のリビア人らしき出稼ぎ風の人たちが綿袋などの大きな手荷物をいっぱい抱えて乗り込んでいきました。機内が満杯になるのではと思われる程です。私は途上国に行くときは警戒して預け荷物はなしで小さめの手さげバッグだけにしていたのですが、乗り込む直前に係員に他の大荷物の人たちと同様に強制的に手さげバッグを預けさせられました。このときはこの預けたバッグを受け取るためトリポリ空港で5時間以上も待たされることになろうとは想像もできなかったのですが。中東やイスラム圏の国に行くときは、少々スケジュールを変えても必ず往復欧米の航空会社を利用することを教訓としました。トリポリからマドリッドに帰る便はたまたまスペインのIBERIA航空を予約していましたが、すべての旅程が終了し、トリポリ空港を飛び立って機内で赤ワインを口にしたときは涙が出るほどの感激でした。


【ココの世界】


♪ きょうはグーツによってカフェしてからOKストアへおかいものです ♪
♪ カフェといっても、ボクははみがきオヤツだけどね、いつも ♪








♪ やましたこうえんのてまえでチビわんこたちにであいました ♪
♪ チビわんこのママたちはボクのことをかわいいといってくれましたよ!ねんのため! ♪







♪ やましたこうえんをすぎるとカートにのせられちゃいます、ほどうがせまくなるのでね ♪










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♪ ねえ、ついたよ ♪












♪ いつもここでまっているあいだ、おねえさんたちがかわいがってくれるんだよ、けんど、きょうはへんなはこがいっぱいあるな ♪









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♪ やっともどってきたとおもったら、ふくろづめするのをまつんだよ ♪
♪ したむいとこ ♪










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