福島第一原発事故 − 最悪の事態の認識

 自衛隊はヘリ2基により空から3号機に向かって計4回で約30トンの海水を投下しましたが、NHKの映像で見る限りある程度命中したのは1度だけで、それでもプールまで届いたのはせいぜい3分の1程度のようでした。放射線の危険からボバリングせずあの高さからの投下では難しいのでしょう。
 一方、自衛隊は放水車11台を投入し、当初3台連結を3列作り連続放水を計画したようですが、放射線の危険を避けるため連結作業は取りやめ、5台に積んできた各6トン、計30トンの放水を3号機に向けて1度実施してその日の放水作業を終了しました。夜間のことでどの程度プールまで届いたのかは不明です。その前に警視庁機動隊の高圧放水車1台が放水を実施しましたが、放射線の危険を避けるため3号機に充分近づくことができず、放水が目標に届かないまま作業を取りやめ原発敷地から撤収したようです。燃料棒を全部水面下に置くには500トン程度必要のようなのですが。
 これに対し、東電作業員は懸命に高圧送電線の電源ケーブルを2号機まで引き入れる作業を完了し、現在接続作業を実施中の模様で、2号機の電気系統が稼動する可能性が出てきました。恐らく、建屋が水素爆発で吹き飛んだ1号機、3号機、4号機にくらべ2号機は電源がつながれば電気系統が稼動する可能性が一番高いことから最初に選ばれたと思われますが、早急に電源が必要なのは他の原子炉でも同じで、懸命に作業できる要員が大幅に不足しているのでしょう。
 今回の事故で、使用済み燃料棒といえども、原子炉の厚い壁と格納容器に保護されない状態で置かれているので、冷却装置が稼動しない事態では途方もない危険があることが世界中に認識されたと思います。
 燃料棒は使用済みでも発熱を続けるので水から露出すると冷却されず温度が上昇、損傷して溶け出します。そうなると、燃料棒の金属が空気中の水蒸気と反応し酸素を吸着して水素が発生、密閉状態だと水素爆発を起こす一方、大量の放射線も放出します。放射線量が一定水準を超えると人は完全に近づけなくなるので全く手が付けられない状態になります。そして、温度がどんどん上昇を続け臨界点に達すれば核分裂を始めることになるのではないのでしょうか。放射線量が一定水準を超えた段階で、使用済み燃料棒プールへの放水作業だけでなく、原子炉内への注水ポンプの燃料供給作業が出来なくなり注水が止まります。そうすると原子炉内でも燃料棒の温度がどんどん上昇を続けることになりいずれ臨界点に達するのではないでしょうか。そのとき、原子炉内といえども制御されない状態で核分裂が進行するとどうなるのでしょうか。1号機から4号機まで4つの原子炉が並び、少し離れて5号機、6号機と合計6つの原子炉があります。更には、福島第二原発の4つの原子炉も近くにあります。
 現在の放射線による作業環境がすでに生命を脅かす水準に近づいていることは分かりますが、現在おかれているリスクのレベルが国家の最高機関に充分認識されて対応されているのか心配です。

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